【ダッキングで解決】ベースとキックのミックス&ノリを作るサイドチェーンの使い方
最終更新日:2024/03/29
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早速ですが、ダッキングとはこんな状態です。
特定の楽器が鳴っているタイミングで、ターゲットトラックの音を圧縮して音域の重なりを整理したり、ノリ・グルーヴを生み出すためのミックステクニック。
キックとベースや、ボーカルと被ったピアノやギターを抑えるなどミックスによく使われるダッキング。DTMでノリを作るにも、サイドチェーンを使ったダッキングをするのはおすすめです。
今回はこのダッキングについて解説していきます!
目次
そもそもダッキングとサイドチェーンって何?
ダッキングとは?
ダッキングとは、
- ・キックが鳴っている時にベースの音を圧縮する
- ・ボーカルが歌っている時に伴奏を圧縮するなど、
特定の楽器が鳴っているタイミングで、ターゲットトラックの音を圧縮して音域の重なりを整理したり、ノリ・グルーヴを生み出すためのミックステクニック。
低音同士は音が集中しすぎてミックスの際にマスタートラック自体が飽和しがちなので、ダッキングをして音域を整理しておく必要があります。
キックとベースや、ボーカルと被ったピアノやギターを抑えるなどミックスによく使われるテクニックです。
またDTMでノリを作るには、サイドチェーンを使ったダッキングをするのが◎。
サイドチェーンとは?
サイドチェーンとは、あるトラックからの信号をエフェクトに反映させるプラグインの機能の1つです。
例えば下記のようなプラグインでサイドチェーンを使います。
- コンプレッサーやダイナミックEQ:ドラムが鳴っている時だけベースの音量を下げる
- Vocoder:MIDIの音程に合わせてボーカルの音程を変える
今回ダッキングではコンプレッサーやダイナミックEQを使います。
ダッキングはどんな時に使うの?
ダッキングはこういう状態
まずはダッキングしている状態を聴いてみましょう↓
トラックがゥワンゥワンとうねっているのがわかるかと思います。
ダッキングはミックスに必須の基本テクニック。
主に下記の2つの目的で使用されます。
- ①ミックスの際に音域を整理するため
- ②ノリを生み出すため
それぞれ後ほど解説していきます。
ダッキングがよく使われるジャンル
ダッキングがよく使われるジャンルは下記の通り。
- EDMやトラップ、フロアミュージックではうねるような極端なダッキング
- Funkやソウルといったノリを重視するジャンル
- ポップスやロックなどでもミックス時に使用
ここで挙げたジャンルに限らず、現代音楽のあらゆるシーンのミックスでダッキングが使われています。
ダッキングがよく使われるトラック
ダッキングがよく使われるトラックは下記の通りです。
- キック&ベース:キックの音が鳴っている時だけベースの音量を下げて低音域同士が重ならないようにする。
- ボーカル&ピアノやギター:メインのボーカルが歌っている時だけ、音域が似ているトラックを圧縮する
- マスタートラック:EDMやフロアミュージックで、「ゥワンゥワン」といううねるようなノリを出す
ダッキングを使って、音域を整理&ノリを作る | コツとコンプ設定例
ダッキングで音域を整理しつつノリを生みだすコツは、コンプレッサーのリリースタイムの設定にあります。
「コンプのリリースタイム = 音が戻ってくるまでの時間」
例えば4つ打ちのキックをフックにベースをダッキングをする場合、ベースの音は下記の2つを満たす必要があります。
- 条件1:キックの4つ打ちの頭でベースの音量が下がってほしい
- 条件2:次のキックがなるまでにベースの音量が戻ってほしい
つまり、このベースの音が戻ってくるタイミングをしっかり計算することで、ノリを生みだすことができます。
コンプレッサーの種類と設定
基本的な仕組みは同じですが、今回はLogicのデフォルトコンプを使って解説していきます。
コンプの種類は原音のテイストを変えずにアタックの速いデジタルコンプまたはVCAコンプがおすすめです。
今回はキーボードのトラックを、キックの4つ打ちでダッキングさせます。
①まずキーボードトラックにコンプレッサーを追加。
②サイドチェーンにキックのチャンネルを指定。
③アタックは可能な限り早く設定。リリースタイムは次項で解説。
リリースタイムの計算方法
リリースタイムはBPMに合わせてms(ミリ秒)で設定します。
今回使うのは、シンプル・ディレイタイム計算機。
①今回のBPMである120を入力すると、リアルタイムでmsが計算されます。
②4つ打ちの裏拍でちょうどキーボードの音が戻ってくるようにしたいので、1/8をクリック。
③250msがコピーされるので、コンプレッサーのリリースタイムにペーストすればOK。
リリースタイムの計算方法がわかれば、シーンに合わせてスレッショルド・レシオ・そしてリリースタイムを設定するだけです。
キックとベースのミックス用サイドチェーン例
ベースとキックの低音が集中する60Hzあたりをスッキリさせるには、ベースにコンプを使いダッキングするのがミックスの常識の一つ。
圧縮しすぎずにベースとキックが馴染む自然な設定にしていきます。
- ・まずレシオは低めに設定(2.0:1〜3.0:1くらい)
- ・次にリリースタイムはシンプル・ディレイタイム計算機の1/32〜1/64くらいに設定して、キックをちょうど回避するくらい短めに設定。
- ・最後にスレッショルドを下げていきます。(トラックよりますが、メーターが0 ~ -5dbくらいまで)
クラブサウンドのうねるサイドチェーン例
うねるようなダッキングを作るには、コンプで強めに圧縮させましょう。
- ・まずレシオを高めに設定(5.0:1〜8.0:1くらい)
- ・次にリリースタイムはシンプル・ディレイタイム計算機の1/8に設定。
- ・最後にスレッショルドを下げていきます。(トラックよりますが、メーターが-10dbくらいまで)
コンプによりますが、-10dbを超えると露骨に歪むので、やりすぎない程度にスレッショルドとレシオを調整しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
サイドチェーンをうまく活用することで、簡単に音域を整理したり、トラックにノリを作ることができます。
今回紹介したダッキング以外にもミックスの基礎的な知識を下記にまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
ではまた次回!