【わかりやすい】サチュレーションってなに?を解決!おすすめサチュレーターも紹介
最終更新日:2024/01/18
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DTMにおけるサチュレーションとは、トラックにアナログ感のある歪みを与えることです。
今回の記事では、サチュレーションプラグイン、いわゆるサチュレーターについてわかりやすく深掘りしていきます。
またおすすめのサチュレーションプラグインはこちらにまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
それでは早速みていきましょう。
目次
サチュレーションプラグインとは
サチュレーションプラグインとは、トラックにアナログ感のある歪みを与えるプラグインのことです。
ただしここでいう歪みは、必ずしもディストーションやオーバードライブなどの目立つ歪みではありません。特にミックスではかすかな歪みを付け足すために使われることが多いサチュレーションプラグイン。
サチュレーションプラグインを使うことで、かすかな歪みを付け足すことができ、結果的に真空管アンプやアナログ卓などに通した時の独特の温かみが得られるのです。
- 具体的には
- ・真空管アンプをシミュレートしたプラグイン
- ・リールテープやカセットテープをシミュレートしたプラグイン
- ・SSLなどのアナログ卓をシミュレートしたプラグイン
などアナログ機材をシミュレートしたプラグインには、サチュレーション効果が得られるものが多くあります。
サチュレーションプラグインを使う理由
前述のとおり、サチュレーションプラグインは使うと得られるアナログ感。
- このアナログ感がトラックにもらたす効果は大きく3つ
- ・独特のキャラクターをつけられる
- ・DTMのデジタル感を減少させられる
- ・音ヌケがよくなる
それぞれ解説していきます。
理由1. 独特のキャラクターをつけられる
サチュレーションプラグインを使う理由として、
最初に浮かぶのは、ビンテージ・アナログ機材の音をDTMでも使うためです。
近年人気のlofi系では、カセットテープやレコードの音をシミュレートしたサチュレーションプラグインがよく使われています。
一方でエレクトロ系などでも、マスターテープや真空管の音を再現したサチュレーションプラグインなどがよく使われています。
理由2. DTMのデジタル感を減少させる
理由の2つ目は、DTMのデジタル感を消す為です。
アナログ機材を通すことで得られる温かみは、
機材が不本意に発してしまったノイズや倍音によるものです。
いわゆる音を汚すという表現がよく使われますが、
サチュレーションプラグインを使ってこういったノイズや倍音を付加させることで、デジタル感を減少させることができます。
理由3. 音ヌケが良くなる
主にミックスの段階で使う方法ですが、
サチュレーションプラグインを使うことで、埋もれがちなキックやベースを聞こえやすくすることができます。
iphoneスピーカーで低音が聞こえない問題も、サチュレーションプラグインをうまく使うことである程度解決できます。
サチュレーションプラグインでアナログな歪み
「クリーントーン出したいけど入力が大きすぎて歪んじゃった!」
これが歪みのそもそもの起源です。
サチュレーションプラグインもInputを大きくすることで、
アナログ感のある歪みを得ることができます。
さらに詳しくサチュレーションを解説
ではサチュレーションプラグインを使うことで
どうしてこのような効果が得られるのでしょうか?
実際にプラグインを使いながら、もう少し詳しくみてみましょう。
【検証】サチュレーションプラグイン効果
こちらはドの音をシンセのSine波で鳴らした時のEQです。
約260Hzのあたりに大きな波ができています。
ここにサチュレーションプラグインであるSoundtoysのRadiatorを適応すると、
たくさんの波ができました。
この波を詳しくみると、
元になったドの3倍の周波数のソ、5倍のミが鳴っています。
ドミソ、つまり結果としてドの和音が鳴っているのです。
【結果】サチュレーションプラグインによる温かみとは
検証の結果、サチュレーションプラグインを使うと、
鳴らした音の周波数の整数倍の音(倍音)が鳴ることがわかりました。
本来ドの音だけ出したいのに、
それ以外の音やノイズも乗ってしまい、
結果として音に複雑味が増してコードができたりするため、
アナログ機材では独特の温かみが生み出せるのです。
また前項ではドミソと書きましたが、
実際にはさらにオクターブ高い音も出ています。
そのためスマホのスピーカーなどでも、
低音パートのオクターブ上の音が聞こえるため、
音抜けが良くなったと感じます。
番外編・Little RadiatorとBiasスイッチ
今回検証に使用したSoudtoysのRadiatorは真空管アンプをシミュレートしたサチュレーションプラグイン。
あのDirty projectorsのミックスエンジニアも使っているというプロ仕様のプラグインです。
一方でLittle Radiatorという、同じくプロ仕様ながらも現在無料配布中のプラグインをSoundtoysが出しています。
このプラグインにはBiasスイッチという、
あまりに特徴的すぎて、販売元のSoundtoysがデフォルトでOFFにしちゃってる謎スイッチがついています。
実際BiasスイッチをONにすると、
「もはやオクターバーなのかな?」
と言いたくなるような倍音が乗ってきます。
ただこの倍音がドラムとの相性が最高なのです!
キックは厚みが出て、
スネアにはざらっとしたテクスチャが乗ります。
ハットなどの金物はミックスで歪みをかけたりしますが、
Little Radiatorでもいい具合に自然な歪みがかかります。
特にクローズハイハットは叩かれた感・リアル感が出ると感じました。
おすすめのサチュレーター・サチュレーションプラグイン
無数にあるサチュレーションプラグインの中から、おすすめのサチュレータープラグインを下記にまとめました。
「それでもまだ選択肢が多い!」
という方のために、はじめてのサチュレーターにおすすめの2つを絞りました!
早速みていきましょう!
初めてにもおすすめ!5種類のアナログ質感と温かみ | Harmonics
Softube Harmonicsは、5種類のサチュレーションによってアナログ的な歪みをトラックに与えるプラグイン。
「はじめてサチュレーションを使いたいけれど、どのプラグインが良いのかさっぱり」という方にうってつけ。
歪みによるアタック感の減衰を抑える新技術により、ディールを保持した立体感のあるサウンドのまま歪ませることができるので、楽器を選ばず使えるサチュレーター。
複数のサチュレーターが入っていながら高品質でプロまでおすすめのSoftube Harmonics。
Softube Harmonicsの詳細はこちらテープの質感が欲しいなら | Softube Tape
Tapeは、3種類のテープのエミュレーションによるサチュレーショタープラグイン。
真空管やコンソール卓などのサチュレーターより比較的甘いサチュレーションでベースやキック、マスタートラックなど幅広く使えるため今回はテーププラグインを選びました。
テープの種類を3種類から選べる他に、テープの回転速度、速度安定性、クロストーク量、そしてもちろんInputを入力過多状態にして温かみのある歪みを得ることも可能。
各トラックに挿して、テープ特有のサチュレーションを付加しても良し、マスターやドラムバスに追加&全体をまとめながら温かみを付加しても◎なTape。
個人的には、キックやベースにTypeBのテープを回転数低めで使うと、低音に温かみが生まれておすすめ。
Softube Tapeの詳細はこちらまとめ
- サチュレーションプラグインをトラックに使うと下記のメリットがある。
- ・アナログ感のある独特のキャラクターが付けられる
- ・DTMのデジタル感を減少できる
- ・音ヌケが良くなる
このようにサチュレーションプラグインの倍音(アナログ感)はDTMをする上で非常に重要です。
早速サチュレーションプラグインを取り入れて、
ワンランク上のトラックメイキングを目指しましょう!
ではまた次回!