【Pianoverse MAX】8種類の搭載モデルを解説&レビュー | 恍惚な音色のバーチャルピアノインストゥルメンツプラグイン
最終更新日:2024/09/23
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目次
- 1 Pianoverse MAX:リアルで美しいバーチャルピアノプラグイン
- 2 8種類のピアノモデルを搭載
- 3 Pianoverse MAX搭載モデルごとのサウンドの特徴
- 3.1 Concert Grand YF3 | 9’ Yamaha® CFIII
- 3.2 Royal Upright Y5 | Yamaha® U5
- 3.3 Black Diamond B280 | 9′ Bösendorfer 280 Vienna
- 3.4 NY Grand S274 | 9′ Steinway & Sons New York D-274
- 3.5 Gran Concerto 278 | 9.5′ Fazioli F278
- 3.6 Hamburg Grand S274 | 9′ Steinway & Sons Hamburg D-274
- 3.7 Liberty Upright | Koch & Korselt
- 3.8 Black Pearl B200 | Bösendorfer 214VC Vienna Concert
- 4 音色の美しさ、リアルさ&反応の良さ、DTMの可能性を広げるFXも搭載
- 5 Pianoverse MAXのダウンロードはこちら
Pianoverse MAX:リアルで美しいバーチャルピアノプラグイン
Pianoverse Maxは本物のような音色に定評のあるピアノのバーチャルインストゥルメントプラグインです。
今回は実際に使ってみたのでレビューをしつつ、気になる搭載8種類のピアノモデルについて簡単に解説していきます。気になる遅延などもチェックしてみましたので、参考までに。
Pianoverse MAXのダウンロードはこちら
8種類のピアノモデルを搭載
YamahaやSteinwayなど、8種類のピアノモデルを搭載
YamahaやSteinwayなど、8種類のピアノモデルを搭載したPianoverse Max。
通常のバーチャルインストゥルメントピアノプラグインだと、YamahaやSteinwayなど1-2種類のモデルだけということが多いですが、Pianoverse Maxは8種類。
プレイヤーなら気分やシーン、演奏曲に合わせて、コンポーザーならトラックや依頼に合わせて使い分けることができます。ジャズマンに嬉しいFazioli Pianofortiや、ムードのあるBösendorferも入っているのは嬉しいですね。
↓Fazioli F278モデル(Gran Concerto 278)は下記の通り
↓Yamaha® CFIIIモデル(Concert Grand YF3)
Pianoverse MAXに含まれるモデル
Yamaha2種類、Steinway2種類、Bösendorfer2種類、FazioliとKoch & Korseltが1種類ずつで合計8種類。
- Concert Grand YF3:9’ Yamaha® CFIIIコンサートグランドピアノ
- Royal Upright Y5:現代的なYamaha® U5アップライトピアノ
- NY Grand S274:9′ Steinway & Sons New York D-274コンサートグランドピアノ
- Black Diamond B280:9′ Bösendorfer 280 Vienna Concertグランドピアノ
- Gran Concerto 278:9.5′ Fazioli F278コンサートグランドピアノ
- Hamburg Grand S274:9′ Steinway & Sons Hamburg D-274コンサートグランドピアノ
- Liberty Upright:Koch & Korseltアップライトピアノ
- Black Pearl B200(近日追加予定):Bösendorfer 214VC Vienna Concertグランドピアノ
Pianoverse MAX搭載モデルごとのサウンドの特徴
Concert Grand YF3 | 9’ Yamaha® CFIII
YAMAHA CFIIIは、明瞭でクリアな音色が特徴です。音のバランスが良く、高音から低音まで均一に響き渡ります。レスポンスが迅速で、ダイナミクスの幅が広いため、クラシックからジャズまで幅広い音楽ジャンルに適しています。持続音も美しく、ステージパフォーマンスに最適です。
Royal Upright Y5 | Yamaha® U5
Royal Upright Y5 は、YAMAHA U5 Upright Piano をベースにしたモデル。
明るく透明感のある高音と、しっかりとした低音でバランスの取れた音色が特徴的です。アップライトピアノのダイレクトで親しみやすいサウンドは、ジャズやポップの楽曲、ボーカルの伴奏など、さまざまな音楽的な場面に。
Black Diamond B280 | 9′ Bösendorfer 280 Vienna
Black Diamond B280 は、Bösendorfer 280 Vienna Concert Grandをベースにしたモデル。ウィーンが誇る豊かな音楽性を表現するサウンドで、ダークで落ち着いた中にある繊細なムードも表現します。
非常に豊かで暖かみのあるピアノサウンドには特有の低音域の深さと、透明感のある高音域が調和し、全体として豊潤な音響を実現。独自の音響設計により、音の持続と響きが長く、演奏に余韻を与えます。クラシックから現代音楽まで幅広く対応可能です。
NY Grand S274 | 9′ Steinway & Sons New York D-274
NY Grand S274 は、Steinway & Sons 社の9フィートコンサートグランドピアノ D-274 をベースにしたモデル。コンサートグランドピアノの最高峰として知られるこのピアノは、世界の偉大なピアニスト達の信頼を得る、圧倒的な存在感。
深みのある低音から澄んだ高音まで幅広いダイナミクスを持ち、表現力豊かな演奏が可能です。特にレゾナンスが優れており、音の持続と広がりが際立っています。特にクラシック音楽の巨匠たちに愛される世界最高峰のグランドピアノです。
Gran Concerto 278 | 9.5′ Fazioli F278
Gran Concerto 278 は、Fazioli Pianoforti社製の9.5フィート Fazioli F278 Concert Grand をベースにしたモデル。あのストラディヴァリウスのヴァイオリンを生み出したアカエゾマツ林の木材を使い、最高級の材料から作られた職人技のFazioliピアノは、世界中のクラシック、ジャズ・ピアニストに「至高のピアノ」として高く評価されています。
高音域の輝きと低音域の深みの絶妙なバランス、非常に繊細なニュアンス表現が可能音色はクリアで透き通った音色が特徴的です。音の反応が非常に速く、タッチの違いがダイレクトに音に反映されることもあり、テクニカルな演奏やジャズプレイヤーからの指示も厚いグランドピアノです。
Hamburg Grand S274 | 9′ Steinway & Sons Hamburg D-274
Hamburg Grand S274 は、Steinway & Sons 社の9フィートグランドピアノ Hamburg D-274 をベースにしたモデル。世界で最も優れたピアノの一つとされるこのピアノは、豊かでパワフルなサウンドと広いダイナミックレンジが特徴。
ニューヨークモデルと同様に豊かで表現力豊かな音色を持ちますが、ハンブルクモデル特有の若干暖かみが増したトーンが感じられます。ダイナミクスの幅が広く、繊細な表現から力強い演奏まで柔軟に対応できます。レゾナンスと音の持続が優れており、広い演奏スペースでもその音色が際立ちます。
Liberty Upright | Koch & Korselt
Liberty Upright は、1900年代初頭にチェコで製造された希少な Koch & Korselt Upright Piano をベースにしたモデル。イン・チューン・バージョンとホンキートンク・バージョンの2種類を搭載。豊かな中低音域には温かみ、明るい高音域、堅実でしっかりとした音色が特徴です。
Black Pearl B200 | Bösendorfer 214VC Vienna Concert
Black Pearl B200 は、7フィート Bösendorfer 214VC Vienna Concert Grand をベースにしたモデル。表現力豊かなサウンドとダイナミクスは、演奏者の意図と感情を余すところなく表現可能。
280 Vienna Concertと同様に、非常に豊かで深みのある音色が特徴。低音域の力強さと高音域の透明感が調和し、全体としてエレガントでありながら力強い音響を実現しています。クラシックからジャズまで幅広いジャンルでの演奏に最適です。
音色の美しさ、リアルさ&反応の良さ、DTMの可能性を広げるFXも搭載
IK multimedia独自のサンプリング方法で、サウンドDNAを収集
Pianoverse Maxは、各モデル毎や鍵盤1つずつの特性をサンプリングするために、独自のマシンを使用。イタリアの最上級のスタジオに持ち込まれたという各モデルは、3Dプリンタで制作された指の感触を再現したマシンで、1キーずつヴェロシティを変えて丁寧に録音。
ピアノ弦やフェルトのノイズまで逃さず録音されたPianoverse Maxは、後述の空間シミュレーションやマイクの種類を変えることで全く違う表現をすることが可能。
これ1つあれば他のピアノプラグインが不要な、リアルで高機能なバーチャルインストゥルメントです。
鍵盤の遅延も感じられない
筆者の使っているMacBook Pro2023年モデル 18GBとMIDI鍵としてCasio Priviaの組み合わせでは、鍵盤を押してから音が出るまでの遅延は感じられませんでした。
またBluetoothでKorg microkeyairを繋いだパターンでも遅延を感じませんでしたが、これはKorgがすごいなと再認識しました。
使用するパソコンやインターフェースなど環境で変わる可能はあるので、参考までに。
30種類の空間でピアノの鳴り方をシミュレート
Pianoverse Maxには、30種類の空間が搭載されています。一般的なスタジオやホールの他に、氷山の上や砂漠に火星など、シネマティックサウンドスケープ用途にも使えます。
設定した空間での響きは、後述のマスターセクションにスペース音としてインサートされており、リバーブ感をフェーダーを使って調整することができます。
ちなみに氷河の上や砂漠、火星や海の中などは、それぞれの再現ではなくインスパイアされたイメージ。海の中を選ぶとバブルのようなサウンドや砂漠だと風の音をブレンドできたり、火星や氷河はそれぞれShimmerのような空間系のエフェクトがかかるような仕様です。
スタジオやコンサートホール、ピアノのための防音室などは普段のプレイや、ピアノとしてのサウンドを使いたい場面で重宝される機能。筆者は実際に使うまで普通のリバーブでいいと思っていましたが、実際に使い出すとシーンによって使い分けられるこのシミュレート機能は意外に便利&ハイクオリティです。
12種類のエフェクトを使えるエフェクトパネルとMIXパネル
MIXパネルでは、空間やピアノの原音の音量やEQ調整が可能です。
さらにPianoverse Maxには、サウンドをガラッと作り替える12種類のエフェクトが含まれています。
例えばシンプルなローパスフィルターと煌びやか系の空間FXShimmerを使ったシネマティックなサウンド↓
強めのOverdriveを使った歪んだサウンドデザインなど↓
一見、ピアノのリアルさを重視するユーザーには不要に思えるエフェクトセクションですが、プリセットを見るとジャズ系のブライトな音作りにOverdriveでトーンが調整されているなどPianoverse Maxのニュアンスに大きく関わるタブです。
ちなみに同じプリセットのOverdriveをよりアナログ的な優しい歪みのSatulatorXのTubeに変えると、温かみのあるサウンドになります。
含まれるエフェクトは下記の通り
Particles/ConvoMorph/Reelab/Choral/Delay/Filter/Lo-Fi/Overdrive/Rephase/Saturator-X/Shimmer/Vintage Plate