【音源あり】CT-S1000Vはどこまで歌える?レビューと気づき
最終更新日:2023/02/20
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目次
CT-S1000Vとは
CT-S1000Vは、歌うシンセVocal Synthesisを搭載したCASIOのキーボードです。
ピアノや弦楽器などを含む900種類の内蔵音源や100種類のエフェクト、150種類のアルペジエーターに加えて、CT-S1000Vの売りとなっているのがVocal Synthesis。
Vocal Synthesisはスマホアプリに入力した歌詞をCT-S1000Vに読み込むことで、鍵盤の音程を歌ってくれるというCASIO独自の新機能です。
ボーカルの声22種類から選べる上、各ボーカリストの年齢や性別までダイヤルで調整できるという面白い機能もついています。
日本語と英語に対応しているということなので、今回はその両方でどのくらいリアルに歌えるものか検証してみました。早速みていきましょう。
実際にVocal Synthesisに歌ってもらった音源がこちら
CT-S1000Vの歌詞を入力して歌わせる機能Vocal Synthesisを5つの曲で使用しました。
それぞれ少しずつ使い方を変えてみたので、参考にしてみてください。
まずは日本語でシティポップ
全ての文字が「子音+母音」でできている日本語は、1音符に1文字ずつ割り当てられるので、非常に打ち込みしやすいです。
ちなみに一番歌っている感じが出たのが日本語でした。
ボーカロイドが日本で発展したのは、言語の問題も関係あったのかな、というのも感じました。
英語で単音のメロディ
続いて英語でシンプルな単音弾きのメロディ。
CT-S1000Vで歌詞を入力する際、英語は音節で区切られて音符に割り当てられる模様。
例として、「sometimes」は、「some」と「times」に分けられて、それぞれ1つずつの音符に当てられます。
単語によっては1音符に割り当てられる文字数が多くなるので、日本語に比べるとやや扱いが難しくなります。
残りの3曲では、より難しげな英語でどこまで歌わせられるか、全力で挑みました。
ちなみにこの曲ではハキハキ喋るよりも少しLofiにこもらせたかったので、古いサンプラーをエミュレートしたプラグインを挟んでいます。
英語でコードを含むメロディ
CT-S1000Vについているピッチコントローラを、とにかく使いまくってリアル感を出すことに挑戦。
前半の「Good」「OK」「It’s」といったフレーズは割り当てた詩に対してコードを弾くことでハモらせています。
CT-S1000Vにどうしても残っている特有のロボット感を減らすために、深めにリバーブをかけていますが、それ以上にスローテンポの曲だとピッチコントローラーでニュアンスを出しやすいと気づきました。
個人的にすごく良い感じだったので、制作中だったアルバムに入れてすぐにリリースしました。
英語でもリアルに歌わせられたので、ここからは「CT-S1000Vを主役に曲を作っていけるか」に考えがシフトしていきました。
アカペラメインで曲を構成
初っ端から最後までCT-S1000Vのアカペラで作ったワンフレーズを主軸にして曲を構成しました。
「Woo」という伴奏をVocal Synthesisで歌わせつつ、上物のメロディも同じVocal Synthesisで演奏しています。
Vocal Synthesisをサンプリング
CT-S1000Vにはデフォルトで100個くらいの詩が入っているのですが、それをいくつかのボーカルタイプでランダムに演奏したものをオーディオとして録音。
それをスライスしてサンプラーに割り当て&ピッチなど変えて演奏しました。
EDM系の深いリバーブの女性の声の音源もCT-S1000Vで作れそうですね。
Vocal Synthesisを作曲に使って気づいた点
実際何曲も作ってみて気づいた点を共有しますので、参考にしてみてください。
得意・苦手なジャンルがある
あくまで自分が使ってみた感想ですが、
得意なジャンル
・テンポがスローからミディアム
・音符を詰め込むよりも伸ばす音が多いボーカルメロディ
伸ばす音が多いボーカルメロディの場合は、1音の中でピッチベンドを使ったリアルぽい揺らぎが作りやすいです◎
得意なジャンルと歌い方においては、結構リアルに歌わせることができたのではと思います。
苦手なジャンル
・テンポの早い曲
・ラップのように音符が詰め込まれたタイプのボーカル
早いテンポや文字数を詰め込むような表現が苦手だと感じます。
同じ鍵盤を連続して叩くとどうしても音符と音符の間に意図しない隙間ができたり、音符にある程度の長さがないとやや不明瞭に。
ただしラップを検証したのは英語なので、1音符=1文字になる日本語ならこの限りではないかもしれません。
CT-S1000Vをリアルに歌わせるコツ
ピッチベンドさせよう
コツは、実際のボーカルがどういう風に発声するかイメージしてピッチコントローラーを駆使することです。
例えば福山雅治やラルクのハイドなどに代表される、ターゲットの音階よりずっと下からピッチをベンドするような発声。
彼らは極端な例ですが、多くのボーカルはピアノの鍵盤を鳴らすように同じ音階で歌うのではなく、音符をスラーで結んだような滑らかな線のような音階で歌っています。
1曲目を聴いてみると、音程がぐにゃぐにゃと曲がりながら次の音階に移動しているのがわかるかと思います。
どういうルートで目標の音に辿り着きたいか考えるとVocal Synthesisのリアルさが飛躍的に上昇します。
ベロシティを意識する
音の強弱であるベロシティは、Vocal Synthesisにおいては音程ではない発声音の強さの抑揚をコントロールするのに使用できます。
2曲目をもう一度聴いてみると、
in my dream with you
というフレーズの「in my」はベロシティ弱め、「with you」は強めにすることで、音の強弱ができてエモーショナルな感じが表現できているかと思います。
MIDIでDAWと繋ぐと便利
CT-S1000Vをキーボード単体ではなく、パソコンで音楽を作るソフトであるDAWと接続することで、Vocal Synthesisをより細かく設定して歌わせることができます。
詳しくはこちらで解説しているので、参考にしてみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
CT-S1000VのVocal Synthesisは、使い方次第でかなりリアルに歌わせることもできるようです。
インスタにはさらにいくつかのサンプルも載せているので、ぜひ参考にしてみてください。
それではまた次回!