【失敗談】初めての額装で思い知ったこと。作品購入前に必ずチェックしたい額装の注意点
最終更新日:2022/12/26
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アーティストなら展覧会、購入する側なら作品を手元に置く際に突然訪れる額装という工程。
この記事では知っておきたい額装の基本と、額装する際の注意点をおさらいします。
実際に僕が額装で失敗した部分も踏まえ、しっかり解説していきます。
それでは早速見ていきましょう。
額装の基本
額装とは
額装とは、わかりやすくいうと絵や写真などの作品にあった額縁を取りつけることです。
額縁は普段美術館ではあまり意識しませんが、種類や色、素材などによって作品の見え方が全く変わります。
また額縁だけではなく、額と絵の隙間を埋めるマットの幅も重要。
マットで作り出す余白も作品一部になるため、作品の見え方に大きな影響を与えます。
額縁(フレーム)について
額装は作品を保護・演出する額縁(フレーム)と、作品と額の間に余白を作るマット(またはライナー)との組み合わせです。
額縁に使われる素材は金属、木、樹脂など様々です。
一般的に
・金属は重厚感や高級感
・木はナチュラル感やアンティーク感
といったイメージがありますが、装飾の有無やデザイン、額の幅などで印象は大きく変わります。
また樹脂と聞くとチープなプラスチックを想像しますが、実際には木や金属を再現したものも多く、色の自由度もある上、比較的安くて軽いというメリットがあります。
マットについて
マットには一般的に厚紙を使います。
こちらも質感や色、厚みやマット幅で作品の見え方が全然変わってきます。
色は白やクリーム色のイメージが強いと思いますが、額装屋さんに行くと白も微妙な違いで何種類もあり、経験上、選ぶのが本当に難しいです。
またマットの幅も、わずか数ミリで作品の見え方が変える最重要要素。
ただし、いざ額装を始めるまでは気づかない隠れボス的存在なのです。
額縁(フレーム)の種類
額縁は大きく分けると絵の厚みに対して2つの種類があります。
油彩額・日本画・立体作品用の額縁(フレーム)
油彩は木枠に貼ったキャンバスに描くことが主流なので、フレーム自体も一定の厚みがあります。
日本画も同様に和紙を木枠に貼り描くためフレームに厚みが必要です。
油彩や日本画用の額装には、額縁(フレーム)と作品の間にライナー(デッサン額でいうところのマット)を入れるのが特徴です。
デッサン・水彩・写真用の額縁(フレーム)
紙に描かれたデッサンや水彩、セリグラフィや写真などは
フレームに厚みが不要なので比較的薄めのフレームを使用します。
油彩用の額縁に比べると比較的安く手に入れることができます。
【要チェック】額装の前の確認事項
作品の種類を確認
前述したように、額縁は大きく分けて2種類あります。
額装したい作品に厚みがあるか確認した上で、額縁を選びましょう。
例えば、木枠のついた水彩画を木枠ごと額装したい場合、水彩用と書いてあっても厚みのない額縁では難しいです。
逆にオイルオンペーパーなどの紙に描かれた油彩は、一般的な油彩額にはゆとりがありすぎるため、別途木枠を購入するか厚みのない額縁を使う方が良かったりします。
作品のサイズを正しく計測
自分で額を購入して額装する場合や、オンラインでオーダーメイドの額を発注する場合、額縁をミリ単位で正確に計る必要があります。
基本的に既存の額には
・一般的な用紙サイズであるA4、B5など
・一般的なキャンバスサイズであるF6、P4、M8など
のいずれかのサイズ規格 + 長さのミリ単位が記載されているので、対応する額縁を選べばOKですが、
近いサイズとうっかり間違えてしまわないようにミリ単位の方でもしっかり確認しましょう。
またその規格がフレームの外寸なのか、入る作品サイズなのか間違えないように注意しましょう。
額装屋さんに持ち込む場合にも、あらかじめサイズを測っておくとスムーズに額装ができて◎
どこに飾るか
額縁は作品の一部となりますが、作品は部屋の一部となります。
なのであらかじめ配置する場所をしっかりと考えて、その空間と作品に合う額縁を選びましょう。
額装屋さんに依頼する場合にも、どこに飾るか、どんな部屋でどういう壁にかけたいかなど、この部分は特にはっきりと決めておきましょう。(後述します)
注意点として
・窓際など気温・湿度の変化が激しい場所では、木フレームはひび割れのリスクがあり。
・直射日光が当たる場所は、フレームや作品が劣化するリスクがあり。
・樹脂またはガラスの保護板を作品の前面につける際は、見たい位置から反射なく作品が見えるか確認しておくと良いでしょう。
フレームを据え置きする場合
据え置きタイプの場合は、置きたい場所の長さを測ってメモしておきましょう。
額なしなら余裕でも、額装で想像より場所を取る場合があります。
また据え置き用金具付きの額を探すとグッと数が減ってしまうので、
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こういったプレートスタンドなどと組み合わせて飾るのも一つの方法です。
フレームを壁掛けする場合
壁掛けの場合、
・壁に穴を開ける
・天井や柱から吊るす
・穴を開けない接着剤を使う
の3択になります。
油彩額などの厚みと重量のある額は、万が一の落下に備え接着剤は避けて、安定感のある固定方法を選びましょう。
壁に穴を開ける場合には、こういった穴が目立ちにくいけれど強力なタイプの固定方法もあります。
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壁紙奥が石膏ボードでない場合には使えないので、あらかじめ普通の押しピンが刺さるか確認しておきましょう。
基本的に額の背面には金具がついていますが、希望の設置に必要な金具や糸が付属するかなどしっかり確認しましょう。
【失敗談】初めての額装で思い知ったこと
さて、ここからは恥ずかしながら僕が初めての額装で失敗したお話です。
まず額装屋さんに持ち込んだ
全く額装の知識がなかった僕は、いさぎよくネットの評価が高い額装屋さんに自分の作品を持ち込みました。
「プロに任せることが一番良い方法」
だと信じていたからです。
その考えは正しかったと思いますが、問題は僕自身が一切額装のことを知らなかった上、
どういう場所に飾りたいかなどの条件も曖昧だったところです。
僕「この絵を額装してほしいのですが、お任せでお願いします!」
店員さん「どういう雰囲気にしたいとか、飾る場所などお決まりでしょうか?」
僕「えーっと・・・」
なんとなく絵の背景や、なんとなく部屋の感じだけでは
無限にある額の中から、僕の要望を当てるのはどう考えても無理でしょう。
そして思うに、僕のような曖昧に額装を注文して失敗する人は多いのではないでしょうか。(と切実に思いたいです。)
「この額縁に合わせるマットなのですが・・」
結局、絵を持って2時間ほどグルグルと店内を歩き回り、フレームに合わせまくり、
なんとなく好みのフレーム1つと、全然好みではないけれどプロの店員さんおすすめの1つを選んだ後、店員さんはこう言いました。
店員さん「この額縁に合わせるマットなのですが、こちらのサンプルの中からご希望の色味ありますか?」
僕「マット・・・?」
何束もの厚紙のサンプルを額縁に当てて、1枚のマットを選ぶ作業が、さらに1時間ほど続いた後に、とうとうギブアップ。
店員さんがおすすめしてくれたマットを、おすすめしてくれたサイズでオーダーしてその日は帰宅しました。
僕「結局プロに任せるのが一番だから・・・」
額装の仕上がりに驚愕
完成したとの連絡をもらい、後日お店へ。
「すごくいい感じに仕上がっていますよ〜!」
という店員さんが笑顔で開けた箱の中には、
全く自分好みではない額とアンバランスにしか思えない比率のマットが僕の渾身の作品を包み込んでいました。
おいおい嘘だろ、これはないだろ、
と内心思いましたが、
もう一人の僕がこう言いました。
「意外と部屋に飾ったらよく見えるのかも」
そしてつい虚勢を張り
「うわ〜、本当だ!素敵ですね!」
といって僕はお店を後にしました。
実際に飾ってみた
家に帰り、おそるおそる箱を開けると、やはりあの額に包まれた作品がこちらを見ています。
しかもなんだかお店で見た時よりも巨大に見える・・・。
なんとなくこの辺かなと思っていた予定位置に額を持っていくとやはり想像よりもでかい・・・。
かつ全く壁紙と合わない。
「この額がマッチするのは、フランスの地方にありそうなおばあちゃんの家くらいだろ!」
というわからない独り言を呟きながら、部屋をぐるぐる。
ギリギリ許容できそうな玄関の壁を見つけ、貼り付けようとしたものの押しピンが刺さらない。
そう、壁紙の下がコンクリートだったのです。
失敗から学んだこと
それは
①完全に無知すぎた自分による準備不足
②額に入った作品があまりイメージできていなかった
まるで僕が店員さんの失敗作をつかまされたように書いてしまいましたが、決してそんなことはなく、
理想と条件をきちんと店員さんに言えなかった僕の落ち度です。
また同時に、額に入った作品があまりイメージできていなかったために、
うまく判断できず目新しいものを選んでしまったのも、失敗の原因だったと思います。
オンラインで額装をシミュレーションしておく
失敗を踏まえて辿り着いた対策が、
一旦Webサービスで額装をシミュレーションするというもの。
自分で額装をする場合はもちろん、
額装屋さんに持ち込む場合にもあらかじめ試しておくほうが良いと思います。
今回はいくつかあるサービスの中から、無料で使えるArtgene(アートジーン)というサービスでシミュレーションしてみます。
無料でシミュレーションする方法
①まずはこちらから無料会員登録。
②登録すると確認メールが届くので、記載のURLをクリックすると登録完了です。
③あとはログインした状態でメニュー内の「つくる」を選択
④作品の画像をアップロード。
⑤必要に応じてトリミングします。
⑥これで作品に合わせて額縁やマットをシミュレーションできます。
いろんなバリエーションをみておくことが大切
実際にシミュレーションしてみたのがこちらです。
いざ額装を始めると目新しさから、つい違和感のある額を選んでしまいがちです。
色々試してみて、額装する前に目を慣らしておきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、できれば絵などの作品を購入する前、少なくとも額装する前にチェックしておきたい
額装の基本と注意事項をおさらいしました。
額装後に「しまった・・・」とならないよう、
はやる気持ちを抑え注意点をしっかりと確認!
余裕があれば無料の額装シミュレーターも試してみましょう。
またまだ絵画の購入を検討段階という方はこちらの記事も参考にしてみてください。
それではまた次回!