【新発売】UAD Topline Vocal Suiteレビュー | ボーカル処理が簡単で高品質になるミックスプラグイン
最終更新日:2024/10/30
※本サイトには、アフィリエイト広告またはプロモーション記事が含まれている場合があります。
目次
UAD新発売!ボーカル処理を1つで完結するプラグイン・Topline Vocal Suite
音程調整からサチュレーション、コンプに空間系まで
2024年10月にUniversal Audioが新プラグインTopline Vocal Suiteを発売開始!
Topline Vocal Suiteは、オートチューンのようなボーカルの音程調整からサチュレーション、EQ、コンプ、さらにダブリングや空間系のエフェクトまで、煩雑なボーカル処理を1つで完了することができる魔法のようなプラグイン。
今回は実際にTopline Vocal Suiteを使ってみたので、レビューしていきます!
Topline Vocal Suiteのダウンロードはこちら
Topline Vocal Suiteの詳細はこちら
Topline Vocal Suite各機能紹介・8種類のボーカルエフェクト搭載
8種類のボーカルエフェクトが1つのプラグインに
Topline Vocal Suiteは、前述のようにボーカル処理に必要なエフェクトが1つのプラグインに集約されたUADの新発売プラグイン。
実際に含まれているエフェクトは下記の8種類
- 音程調整(Auto-Tune的な)
- ピッチ・フォルマントシフター・ハーモナイザー
- サチュレーター
- コンプレッサー
- EQ
- モジュレーション
- ディレイ
- リバーブ
まずボーカルの音程をチューニングするところから始まり、EQやサチュレーションによる質感調整、最終的な音の広がりや馴染ませ部分までTopline Vocal Suiteで完結させることが可能。
ちなみに今回実際に使ってみた動画が下記の通り。4分ほどでボーカル処理が完了しました。
音程調整・ハーモナイザー
まず1つ目の音程セクションでは、キーとスケールを設定するだけでAuto-Tuneのような音程調整がサクッと可能。Speedを早くすることでケロケロボイスのような音程変化、遅くすることでより自然な調整ができます。
2つ目のピッチシフター・フォルマントセクションでは、ボーカルそのものの音程や声質を変えることができます。Mixを下げていくことでハーモナイザーとしても使え、ここ数年流行り続けているオクターブへのハーモニー追加も簡単にすることができます。
サチュレーターとコンプ、EQもサクッと完了
3つ目に登場するのはサチュレーター。マイクやミキサー卓を通して録音した際の、アナログ的な歪みを再現することで、ボーカルに特有の質感を付加することが可能。存在感のあるボーカルサウンドを作るのには欠かせないプラグインです。
Topline Vocal Suiteには、真空管とSolidStateの2モードに、それぞれ5種類のタイプを選択可能(Bright/Flat/Hyped/Present/Vintage)
4つ目のDynamicsは、いわゆるコンプレッサー。こちらも5つの種類(Warm/Transparent/Focused/Tight/Aggressive)から選択でき、ボーカルにパンチを加えたり、温かみのある雰囲気を演出することができます。こちらもボーカル処理には欠かせない工程。加えてTopline Vocal Suiteにはディエッサーが搭載されているので、耳障りなサ行の音をカットすることができます。
5つ目のEQも、まさにボーカル処理に特化したEQ。3つのEQモード(Brilliant/Full Range/Mid-Range Focus)から1つ選択すると、それぞれ音域に固定されたクイのようなフェーダーが現れます。これがボーカルのEQ処理で重点的に削ったりブーストしたりする音域。ミックス初心者の方でもどの音域を調整すべきか簡単にわかるようになっているので、あとは好みやトラックに合わせて上下するだけでかなりいい感じに仕上がります。
ちなみにコンプとEQの順番は入れ替えが可能!これも非常に嬉しいポイントです。
音の広がりと馴染ませ系のプラグインも全部入っている
6つ目にはモジュレーションとして5つのプラグイン(Chorus/Doubler/Flanger/Widener/Wow & Flutter)を搭載。全体的にかなりモダンな曲に使いやすそうなエフェクトで、Blend具合を調整することで声に厚みや広がりを出すことができます。
7つ目にはDelayとして3つのタイプ(Digital/Studio Tape/Cassette)を搭載。アニメーション上の斜線がFeedback、左右のカーブがハイパスローパスフィルターになっています。さらに最後のReverbセクションへのSend量も調整できるという、とても痒いところに手の届く仕様。
最後の8つ目にはリバーブとして5種類(Ambience/Chamber/Hall/Plate/Room)が搭載されています。自然なボーカルにはプレートやRoom、広い空間にはHallやChamberなど、ほとんどのボーカル処理に必要になるリバーブを全て使うことができます。
Topline Vocal Suiteを実際に使って驚いたところ
相当細かい部分までこだわって、”実用的”に仕上げられている
ボーカル処理に必要なエフェクトを詰め込んだプラグインはいろいろありますが、さすがUADと感じたのは、相当細かい部分まで工夫されているのでしっかり実用性がある点です。
例えば空間系のDelay/Reverb部分には「FX Duck」というつまみが1つついています。これはボーカルの声が出ている際には空間系を抑え、声が止まってから空間系の音量を開放する原音をフックにしたダッキングのスイッチ。
こうしたダッキングをすることでスッキリしたボーカルに仕上げることが可能ですが、もしこのスイッチがなければ、空間系だけ別のプラグインを使わないといけないというのがリアルな部分。
前述したコンプとEQの位置の入れ替えなど一見すると小さい部分に見えますが、その小さい部分を突き詰めていくミックス過程では非常に重要なポイント。
初めてのボーカルミックスにもかなりおすすめ
Topline Vocal Suiteのもう一つ優れた部分は、各エフェクトごとの調整できるつまみの量を最低限に絞っているところ。
例えばコンプ1つ取ってみても、本当はAttack、Release、Ratioなど調整しなければならないパラメータは多いですが、Topline Vocal Suiteのコンプ(Dynamics) セクションではつまみは1つ。表現したいボーカルサウンドに合わせて、Warmでは真空管コンプの遅めのAttackで自然な仕上がり、TightではFET系の早めのアタックリリースかつWarmよりは高めのレシオというプリセットが用意された上で、最後の味付けを1つのノブでするような感覚。
一見するとこれ1つでミックスなんてできるのか?という気持ちになりますが、以前紹介したSoftubeTube-Tech Blue Toneのように、意外とちゃんと仕上がるから行ってしまえばチートプラグイン。
しっかりミックスを理解したい方は使わないほうがいいかもしれませんが、シンプルに良いミックスを目指す方には、初心者上級者問わずおすすめのプラグインです。
Topline Vocal Suiteのダウンロードはこちら
Topline Vocal Suiteの詳細はこちら